社長に聞いた10の質問

Q.1

なぜ経営者になろうと?

母方のおばあちゃんが商売で八百屋をやっておりまして。
僕は物心ついた頃からその八百屋の片隅に座っていました。まだよちよち歩きの時から。

そして、経営者、商売をする人になりたいなぁというのは、そんな小さい頃からおばあちゃんの八百屋で人のふれあいを見たり、商売が成り立っていくのを見たりして育ったのが原点だと思います。
大学生の頃には、いずれは経営者になりたいと思っていました。

Q.2

新たなビジネスは誰が立案しているのですか?

123サーバーには、新規事業開発という部署はなく、今やっているビジネスの延長線上で、特にお客様との対応の中でお客様がポロッという一言みたいなのがものすごい種になるんですよね。

そういう種を持ち寄って、アイディアを出し合ったりします。
もしくは、英語が自分のスキルとして得意なスタッフが何名かいるので規模は小さい会社ながら、インターネットの最先端を見ていて、まだ日本には来ていない、英語圏だけで先行して始まっているサービスであったりビジネスモデルを見つけたりします。

123アナライザーというリンク分析のツールは、まさしく英語圏で一番認知されている評価が高いMajesticSEOさんという非常に大きい会社さんにお問い合わせをして日本の独占販売件を取得しました。

お客様の声から生まれるサービスと英語圏にはある、日本にはないものを見つけて交渉してライセンスを取得する。
その2パターンですね。

Q.3

今まで会社を経営してきて、一番ピンチ(失敗)だと思ったのはどんな時ですか?

失敗というのは、日々失敗の連続で、少しずつよくなるというのが基本だと思います。
この123サーバーという会社を立ち上げたとき、当時はCMSジャパンという別の名前で立ち上がった会社なのですが、当時は、取締役会長の藤間と僕が別々の会社をしていて、それぞれが経営者でした。
藤間さんは僕よりも一回り年上で、人生の先輩なんですが、ある時藤間さんが胃ガンになって手術を受けることになりました。
その手術を受けた後に彼と話している時に、再発したら後2年だと。

たまたま藤間さんが手術をした病院がその3年ほど前に僕の父親がガンで亡くなった病院で、藤間さんを見送ったときも駐車場とかいくと全部フラッシュバックで父親の姿の思い出が蘇ってきて。

藤間さんからひょっとすると2年かもしれない、と言われる前々から飲みの席などで、僕と一緒にビジネスをやってみたいって話は言われてて、僕も藤間さんも当時やっていた事業はそれなりの収益が出てたのですが、本当の深いところで自分たちのビジネスとしてコミットしているわけではなく、もっと何かできるんじゃないかと、多分お互い思っていました。

そういうシチュエーションで、藤間さんと一緒に会社をつくって何か事業をやってみたいとは思いましたが、もともとは全くノーアイデアでした。
僕は「何をするか」も重要ですが、「誰と仕事をするのか」もすごい重要だと思っていて、その時はまさに「藤間という人間と一緒にビジネスを立ち上げてみよう」と決心しました。

ただ、ノーアイデアで始まったので、結果的にビジネスとして収益が生み出されるまでは1年ぐらいかかってしまいました。
その期間はただひたすら、「何をやるんだ」と思っていました。

そういう中で123サーバーっていうサービスを見つけることになったのですが、そこが僕の中で苦しかったですね。

Q.4

あなたの信念はなんですか?

いくつか言葉は思い浮かびますが、僕が大切にしているのは、自然の植物などは別ですが、会社であったり、世の中なんでも周りにあるものすべて誰かが想像して作ってあるものなんですよね。鉛筆一本からすべて。
それ想像がなんであろうと、「想像したものは実現できる」というのが僕にとって信念になってると思います。

一方で、「想像したから実現できるのか」っていうと、多くの場合、その想像や夢が自分にとって魅力的なものであるほど想像したことに対してそれは難しいとか、恐れとか、ネガティブなマイナスの感情がその後ろに張り付いたりする。

「思ったことは実現する」とよく言いますが、やっぱり「想像できることは現実化できる」っていうことと、その時に恐れが張り付いていると、ダブルバインドっていう心理学の用語で、要するにアクセルとブレーキを両方踏むと車が動かないですよね?

その状態から、ブレーキをどう解除するか。
「想像できることは実現する」から恐れなくていい。
自分の頭の中だったり、仲間と話した時に出るアイデアだったり、実現できないものは思いつかないと思うんだよね。

「思いついたものは必ずできる」から、当然、そこに至るまでは失敗だらけで少しずつみたいな形になることも多いけど、恐れなくて前に進もうみたいなのが多分僕の信念かなと思います。

Q.5

どういう人材が欲しいですか?

これはとっても難しい質問ですが、これから仕事を、就職しようと思っていろいろ考えていらっしゃる方が、いろんなことを悩むでしょう?
私、何が向いているんだろう とか。

逆に企業、採用する側である僕がどんな人材が欲しいのかと聞かれると、いろいろ思うことがあります。

例えば、スキル的なものであるとか。
うちの会社はインターネットのインフラ事業が中核なんで、どうしても一般的にはシステムエンジニアさんとかサーバーエンジニアとか、テクノロジストの方がエントリーする会社だと思われがちかもしれません。
しかし、逆にうちの会社にいるとわかるんですが、先ほども言いましたが、創造性とかクリエイティビティみたいなところも、ものすごく望まれると思うんですよね。

そうするとそこは「スペシャリストである前にジェネラリストとして」みたいなところが必要なので、スキルの部分でどんな人って言われると、皆さんすごい可能性を秘めているんで、そこは本人自身もうちもわからないなぁと。
それよりも「仕事をする」ということに対する覚悟と志を大切にしたいと思います。

実は僕自身、大学生の頃は就職するのが嫌でした。

大学4年で出て、会社に就職して、ある意味ラベルを貼られて本当の自分を見失うような気持ちになったこともあります。
しかし、それに対して、僕は就職をしないという選択をする勇気もなくて、就職先を選んだのですが、そのような体験も僕自身しているので、学生の方々も、それぞれ皆さん悩むと思うんだよね。

僕が重要だと思うのは若い頃から、仕事をしていく上で本当に自分の内的な部分で成長したい、もちろん給料も大切ですが、ただ働いて時間を会社に提供して、生きていく糧、いわゆる給料をもらう、ということよりも働くことでいろんなことを経験して学んで成長したい。成長したいと思ったら新しいことをたくさんやるほうがいいので、そうすると未知の分野にチャレンジすることが好きな人のほうがいいと思います。

ただ、新しいことに挑戦するということは、整理がされていないから、毎回混乱から始まります。
その混乱っていうのは将来いろんなものがきっちりする前の段階で、いろんなものがぐちゃぐちゃに、認知できないものがいっぱいある世界にいくんで、その混乱を楽しめる人じゃないとやっぱり厳しい、というのはあると思います。

したがって、簡単にいうと仕事っていうのが、「昨日と同じことをすることが私の仕事です」という人よりは、うちの会社はどんどん成長して変わっていくので、どんどん未知のものがきて、混乱して、整理して、さらにまた新しい混乱へ…。
苦しいことですが、苦しいけど楽しめる。
そういうのが好きな人と一緒に5年10年と一緒に働いてもらって、本当の仕事のできるビジネスマンになってくれたら一番嬉しいなぁと思います。

大学生のときに就職に対して恐れを感じたり、嫌だった自分がいるのに、今では人生で一番楽しいのは仕事だと思います。
仕事をすることによって、人生を安定的に生きることもできますが、それよりも仕事そのものが一番楽しいみたいになるといいなと思いますね。
少しでも、そういうのに憧れをもってもらい、そうなりたいなぁと思う人が来てくれると合うんじゃないかと僕は思います。

時々会社でも言いますが、「仕事の頑張った一番の報酬は次の仕事」そういう風に思いますね。

Q.6

これから入ってくる方達にはどういう仕事を任せたいと思っていますか?

会社の中の組織があるので、一人ひとりに、例えば顧客サポートの担当になっていただいたり、マーケティング、企画をやっていただいたり、いろいろありますが、任せようと思っている仕事はほとんど、今のうちの会社にはない仕事です。

うちは年々成長していって、新しいサービスも増えていって、とにかく新しいビジネスをどんどん出していくでしょう。
そこで、新しいビジネスを立ち上げて、形にして、ルーティンにして、さらに成長させて、というのをチームでできる、そういう仕事を任せたいと思っています。
その中でたまたま部署は顧客サポートであったり、企画だったり。
本当に今ないものをやってもらうメンバーですね。

Q.7

これからはどんなサービスを展開させていきたいと思っていますか?

レンタルサーバー事業というのは基本的に数社大手さんに集約されているマーケットの中で、123サーバーはIP分散という非常にニッチな差別要因をつくってマーケットに陣地をとって、そこでシェアナンバーワンという形でやっています。
今社内で話しているのは、そのIP分散をさらに成長させていく部分の新サービス。さらに、日本にはほとんどサービスが提供されていない、欧米では非常にニーズが高まっている全く新しい分野のサーバーサービス。
あるサーバーサービスを通じて、例えばカンボジアに小学校を建てる社会企業的なビジネスを今計画しています。
どんどん新しいものが出てくるので、今全然思ってないものを、来年の今頃には言ってると思います。

基本的にはインターネットのインフラを主体とした事業を、ニッチあ分野に絞って、日本全国にインターネット経由でお客様に届けるというビジネスをしていくと思います。

Q.8

平川さんが目指す成功とはどんなものを想像していますか?

会社としての成功は安定的に成長することですね。
売上が一年間で何百倍にも伸びましたっていうのは、時間軸で見ると将来非常な危険な部分もあったりするんで、うちは社是に「年輪を刻む」というのがありますが、少しずつ安定的に成長する、と。
安定的に成長したいというのには、理由がありまして。
一番大切なのは、会社が急成長したりすると、従業員が本当に幸せなのか?と思ってしまうんです。
少しずつ安定的に成長するのは、一緒に働く従業員にとって、少しずつ自分たちの人生や暮らしが物心両面で前より、去年より豊かになっていく。
それが末広にずっと少しずつ広がっていく、というのが会社にとっての成功ですね。

僕個人としての成功は、ちょっと説明するのが難しいのですが。
さっき言ったような事業が少しずつ成長していって、従業員が成長して物心両面が少しずつ豊かになって…っていうのは会社の成功でもありますが、僕の成長でもありますね。
何もないところから始めた会社なので、社員の人が結婚したり、子供産まれたりしていくのは、結構、僕が幸せな気持ちになれますね。

その中でも一番嬉しかったのは、うちの社員の石井さんが「家を建てます」って言われた時、今となっては中堅どころはみんな家を持っているのでみんな数年で家を買って、その中でも石井さんが先行組だったんですが、石井さんのお子さんを二人とも知っているから、良かったなぁと思いましたね。

Q.9

123グループはどのような会社にしていきたいですか?

さっき言った年輪経営というか、少しずつ成長していくこと。確実に。
年輪って偏った成長をしていると、その部分って弱いんですよね。
ヒノキのように少しずつ成長している木は、強い。
そういうグループ、会社にしたいというのと、「衆知を集める」というのが社是の中にあるのですが、みんなで知恵を出し合って、いろいろなものを作り上げていきたい。
僕らは、製造業ではないんですが、インターネットの中で新しい切り口で新しいものを考えて提供していくと思いますが、そのときにみんなで「こういう風にしたらいい」とみんなで意見を出し合ったり、あとはお客様へのサービスをどうやったら、使い勝手のいいものに、とか、そういうものに衆知を集めていける、活気のある会社にしたいですね。

毎日同じ仕事をしていると、空気がよどんでいきます。
いやな言い方をすると、表面的には手を抜いてやってもばれない。

でも、世の中は少しずつ進化していってて、僕たちが1日、2日、1年止まっているからといって、端から見たら変わらないかもしれません。
しかし、周りは少しずつ変わっていってて…。

社是の中に「最善のうえの最善」とあります。
今日の最善は明日の最善じゃないよ、だから最善の上の最善を尽くしましょう。ということです。
だから、常に変わる、加えたり、捨てたり。
そして、もう少しいい明日、1年後。
それが当たり前の組織になると、働いてる人も楽しいはずだと思うので。
みんなが働くのが楽しい会社にしたいですね。

Q.10

好きな言葉はありますか?

いくつもありますが、今言われて思い出したのは、10年前によく言っていた「夢と勇気とサムマネー」ですね。
これはウォルト・ディズニーの言葉です。
ウォルト・ディズニーはものすごい天才なビジネスマンであり、クリエイターであり、ドリーマーなんですが、そのウォルト・ディズニーが言っている「夢と勇気とサムマネー」は好きですね。

なぜかっていうと、夢ってなくすことも簡単なんですよね。思うことも簡単。
前に話したけど、「想像できるものはできる」。
でも、その裏側には恐れみたいなのがコインの裏側にある。夢があっても勇気がないといかないんですよね。
しかし、現実社会としては、夢と勇気だけでも足りなくて、お金がないとビジネスができなかったりもします。
ただ、そんな膨大なお金が必要ないビジネスもたくさんあるので、サムマネーと。

世界中の人々を楽しませ、ディズニーランドに行く人みんなを幸せにする。
それを作った原点が「夢と勇気とサムマネー」と言ってたと思うと、やっぱりものすごく好きな言葉ですね。

代表取締役社長
平川 智一

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